イタリアンアルティメットダークネス日記

おませな小学四年生たちが綴るわいわいブログ

大伴亮介『ワンシーン画 大全集 Vol.1』紹介&感想

 どうも、たけです。

 大伴亮介『ワンシーン画 大全集 Vol.1』の紹介と感想です。

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 表紙は「落ちたハミガキ粉の上の方だけ救出するシーン」です。作者の大伴亮介さん(@R_OTOMO)はフリーのデザイナー・イラストレーターの方らしく、ツイッターでのこの「ワンシーン画」を発表されています。

 上質...。こういうのが本にまとめられたのが『ワンシーン画 大全集 Vol.1』です。紹介しといてなんですが、完売していて増刷の予定もないそうです(2019年2月5日現在)。Vol.2に期待しましょう。

 

 これは要するに「あるあるネタ」かと思います。あるあるネタというのはみんなが知っていることでなければならないのに、同時に「ベタではいけない」というジレンマの中で輝きます。高度なあるあるたるには「普段は気に留めないが、言われればピンとくること」を突く必要があります。「あるある」なのにその核は「意外であること」なのです。遅れてピンとくる快感があるあるの魅力です。

 大伴亮介さんのワンシーン画ではそんな絶妙に「あるある」なシーンを切り取っています。その目の付け所の良さもさることながら、表現方法としてこの絵柄でのイラストというのが強力な相乗効果を発揮していると思います。線や陰影のないシンプルな表現であるが故に、イラストを一目見ただけでは「様子はわかるがテーマはぼんやり」くらいの理解度になります。そこにあるあるなタイトルが効きます。タイトルの助けによってイラストの内容が明瞭になります。この時、「あるあるがピンとくる」と「イラストがピンとくる」が同時に押し寄せることで快感が倍増されるのです。イラストが「ボケ」でタイトルが「ツッコミ」という見方もできそうです。霜降り明星のようなボケを解説するタイプのツッコミですね。

 

 『ワンシーン画 大全集 Vol.1』ではタイトルは小さい文字で隅に書かれていて、タイトルは読もうと思わなければ読めないようになっています。まずイラストを堪能したのちにタイトルを見ることで万全の快感を得られます。イラストだけ見てなんのシーンか考える時間も楽しいです。また、イラストの大きさや配置がよくデザインされており、掲載順に仕掛けがあったり、カラーテーマを統一したページがあったりとイラスト集としての魅力もたっぷりでした。 

  

 以上、大伴亮介『ワンシーン画 大全集 Vol.1』の紹介と感想でした。作品を紹介しながらフェードアウト。