ナイツ塙宣之『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』 紹介&感想
どうも、たけです。
最近発売されて話題の、ナイツ塙宣之著の『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』 の紹介と感想です。
もともとは下記インタビューが好評だったことで企画された本だそうです。僕もこのインタビューは読んでいて印象的だったので本も読むことにしました。
内容は基本的にM-1グランプリの分析です。ざっくりインタビュー形式になっていて、かなり読みやすかったです。NetflixやAmazonプライムビデオで過去のM-1は全部見れるので、本で言及された部分を確認しながら合わせて楽しめました。
短い章(質問と回答)が並んだ形式になっています。いくつか質問のタイトルを紹介します。
Q4 よく「練習しない方がウケる」 と言いますよね?
Q7 「日常会話=漫才」は関西ならではの発想のような気がします
Q16 「M-1は100メートル走」の持論は、非常にわかりやすいですね
Q17 自虐ネタは、あまりお好きではないようですが
Q23 究極のボケは「存在」ということですね?
Q40 吉本芸人の王者が多いのは、ある意味、当たり前ですよね
Q42 M-1は、漫才という競技の中のM-1という種目の大会なんですね
Q43 10分以上のネタをやらせたら、ナイツは日本一です
Q46 関東の日常言葉は感情を乗せにくい。漫才に不向きなのでは
Q62 M-1の遺伝子は、やはり「新しいもの至上主義」ですよね
Q66 日本漫才市場、イケメンであれだけウケたのは徳井さんくらいでは?
Q89 今の時代は「ツッコミが華」と言われます
などなど。非常に幅広く充実した内容になっています。大きくはM-1第1期、つまり一度M-1が無くなる前の2010年までの話がメインになっています。
僕はそれほどお笑いファンという感じではなく、YouTubeでいろいろ眺めたり、M-1の時期だけGyao!で予選の動画を見たりするくらいです。あとは「オードリーのオールナイトニッポン」と「霜降り明星のオールナイトニッポン0」を欠かさず聞くくらい。そのくらいでも、この本は十分楽しめると思います。M-1に詳しくなくても、気になったところは読みながら該当部分を見ていけばいいですし。漫才、ひいてはお笑いに対する解像度がグッと上がりました。芸歴だとか事務所だとか出身地だとか、そういう要素を踏まえて見るとまた一段おもしろくなりますね。
僕は「おもしろさとは」みたいなことを考えるのがわりと好きなので、そういう点でもかなりよかったです。自虐ネタはどうだとか内輪ネタはどうだとか、形式や時間によってどのような差があるのか。漫才以外にも応用できそうな知見が盛りだくさんでした。あっさり読めるので、かなりおすすめです。