イタリアンアルティメットダークネス日記

おませな小学四年生たちが綴るわいわいブログ

渦 その10

 どうも、たけです。渦 その何番までいくのでしょうか。

 

世帯主にまとめて給付

 まずは国籍など関係なく全住民が対象となったことに安心である。しかし、懸念事項もあるようだ。

  こういう懸念が発生するのはよくわかるが、これに関しては「しかたない」という印象を持った。個別に振り込むとなると、

  • 口座を持っていない人はどうするのか
  • 手続きを行う能力がない子供や要介護者などはどうするのか

などの理由で手続きの手間がとんでもなく増幅する(世帯主にまとめたとしてもこれらの手間は一定量残るが)。「なるべく個別にしてくれ」は「迅速に給付すべき」と衝突するし、あるいは「個別に受け取る能力のない人」を置き去りにするリスクを増やす。

 「まとめて」でもできるし「個別で」でもできるような選択制にするというのもあるかもしれないが、選択制にするだけで十分に複雑化しすぎるし、懸念されている支配的な世帯では「個別で」を選択できなかったり、個別に給付されたところで搾取される可能性が高いのではないか。

 もちろん、このような視点で問題の存在を啓蒙することに意義はあると思うし、”余計に支配関係を強めてしまう”という可能性には同意する。ただし、世帯ごとにすることで給付手続きを簡易化できるメリットの見込みと、給付を個別にすることで支配関係の強化を防げる見込みの比較では、前者の優先度が高いように思う。後者の考慮も必要なことではあるが、給付方法を個別にすることで解決するわけではない別次元の問題であるように思う。

 「コロナ離婚」などという言葉もあるが、コロナ禍により社会との接続が弱くなった結果DVやネグレクトなどの家族問題が悪化しているであろうことについては痛ましく思う。

 

強い休業要請

www.yomiuri.co.jp

 休業に応じないパチンコ店などに対し、公表を伴う休業要請などの強い措置を検討とのこと。えぐみがある。「感染拡大防止協力金」が「太陽」的なやり方なら、これは「北風」のやり方である。「公表」というやり口は市民による私刑を推奨していて嫌いだ(この印象は記事終盤で改められる)。

太陽

 東京などでは独自に「感染拡大防止協力金」などの制度が実行されている。給付金の在り方をその2では以下のように分類したが、協力金はそのうちの1に該当する。

  1. 活動を休止してもらうための安心材料としての補償
  2. 公共の利益のために自由を制限することに対する賠償
  3. 弱者(になった人)を救済するのための保障
  4. 経済を回すためのばらまき

「安心材料」というのは少しあいまいな言い方だったが、要するに「休業した方が得になる条件」を与えることで休業してもらうということである。そのため、本来は「営業し続けた場合の得」を基準にし、「休業した場合の得」がこれを上回るように個別に協力金を設定すべきである。本来、コロナ禍でもばりばりに儲けている店に休業してほしければよりたくさんの協力金を出さなければ釣り合わない。

 今は迅速さが必要なのでそこまで配慮できないし、コスパよく休業してもらえるところだけを相手にするのは効率的でいいと思う。他の競争相手が休業することで自分の店のパイが増えることもあるだろうから、駆け引きをしだすと複雑になりすぎる。

北風

 こういった協力金の制度がない場合(あるいは不十分な額しかでない場合)において、要請を受けているにも関わらず営業を続けている店舗は当然発生する。それに対し、その公表を伴う強い休業要請を出すことができるらしい。これは北風的なやり方である。補償なき要請が緊急事態宣言の効力で認められていることには不満を抱く。その不満からの八つ当たりで、営業しているパチンコ店を公表した結果、打てる店舗を把握したコロナを気にしないヘビ―パチンカーがわんさか集合してほしいなどと思ってしまう。

「公表」のニュアンス

 ほんとに補償が伴わない強い指示なんかがまかり通っているのか気になって、記事で示されていた「改正新型インフルエンザ対策特別措置法」の第45条を見てみた。そのうち3と4を以下に示す。

第四十五条

3 施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを指示することができる。

4 特定都道府県知事は、第二項の規定による要請又は前項の規定による指示をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。

 3の「当該要請に係る措置を講ずべきことを指示することができる」 の部分で強い指示が認められている。

 4では「指示をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。」とある。新聞記事を読んだときは「公表」という晒し行為によって強制力を生み出す戦略かのような印象を受けたが、原文を見ると発動された権力の可視化のための「公表」のように受け取れる。そうであれば、上で僕が書いた”「公表」というやり口は市民による私刑を推奨していて嫌いだ”というのは誤解ということになる。特措法第45条へ、ごめんなさい。ただ、そういうわけなので公表は「晒す」感じにならないようにしてくれよな!

 

以上。