イタリアンアルティメットダークネス日記

おませな小学四年生たちが綴るわいわいブログ

ニューヨークチャンネル「ザ・エレクトリカルパレーズ」

 どうも、たけです。遅ればせながらニューヨークチャンネルの映画(映画コント)「ザ・エレクトリカルパレーズ」を見ました。何故遅ればせながらかというと、お笑い界を観測していると少し前から話題沸騰のコンテンツだからです(佐久間さんもラジオで紹介してましたね)。

 

youtu.be

 

 二時間あるんですけど、あっという間でした。予想していた以上におもしろかったし、それ以上に胸に来るアツいものがあって、「すごいものを見たな」という気持ちで余韻がすごいです。

 ざっくり言えばお笑い養成所(東京吉本NSC)版の『桐島、部活辞めるってよ』です。あらすじとしては、

東京NSC17期に実在した謎の組織「ザ・エレクトリカルパレーズ」の実態をニューヨークの二人が追う。黒歴史に葬られていたその実態が、17期の芸人たちへの聞き込みを続けるうちに浮かび上がってくる。明らかになってきたエレパレの実態から、二人はさらにその核心へと迫っていく...。

みたいな感じです。

単純に笑えるところがいっぱいあっておもしろい上に、お笑い養成所も「学校」なんやっていうシンプルな発見と、その中の多様な学生たちの交錯とかが見えて、ドキュメンタトとしてめちゃめちゃすごくて、映画として評価してもかなり名作だと思いました。

 なかなか奇跡的な作品というか、編集の並び替えがうまいのもあるのですが、謎解き的にエレパレの実態が明らかになっていく過程とか、その中でエレパレに対する印象が変わっていく感じとか、人によって捉え方が違う感じとか、インタビューされる芸人たちの個性とか、全部が絶妙なバランスで魅力を発揮していて、それでいながら本筋がちゃんとオチに向かって進んでいって、すごかったです。

 そしてニューヨークの芸人愛みたいなのもめちゃめちゃいいですね。人間のちょっと恥ずかしいところを愛おしく思う屋敷の良さがめっちゃ出てます。そもそも売れることを夢見て、いい年こいてもバイトしながら何年も芸人やってる人たちって「学校」じゃなくてもずっと青春味のある生活をしていると言える。それはなんらか尖りつつも「お笑い芸人」という肩書を背負った者たちで集まった強烈な村の中にいて、それが学校的だからなのかなとも思う。その学校の手前の学校である養成所における「若気の至り」てきなサークルなんて、もうかわいいしおもしろいだけのものなのに、「エレパレ」が黒歴史化されて腫物扱いされている状況を、この作品でいじり倒して愛でていいものにしたというこの作品の功績に拍手である。というかそれが功績なのかはわからないが、それをいじれるようにしたいと思ったニューヨークの二人やスタッフの芸人愛に感動を覚える。

 まじで歴史に残る名作だと思う。この二時間の大作をYouTubeでさらっと上げちゃうのもかっこいい。