イタリアンアルティメットダークネス日記

おませな小学四年生たちが綴るわいわいブログ

矢沢あい『NANA』を読んだ感想

 どうも、たけです。最近漫画の名作を押さえてくマイムーブメントが起きていて、名高い作品『NANA』を読みました。特にネタバレなしの感想をざっくり残しておきます。

 

 まず一番の感想は「いや、未完のまま2009年から休載してたんかーい!」です。てっきり完結してるものだと思って「読破するぞ」という意気込みで読んだのでめっちゃ肩透かしくらいました。

 

 そんで次が「いや、めっちゃ重いんかーい!」です。常に誰かが何かに悩んでいますし、しょっちゅう未来視点から「あの頃に戻れたら」とか「この時はあんなことになるなんて知らなかったよね」とか、未来がよくないことになってることをポエってくるので、ずっとどんよりしてます。21巻まであるんですけど、8巻くらいから「まだこれを10巻以上も...」と憂鬱になりながらエネルギー消耗してページをめくっていく感じでした。基本めちゃくちゃ複雑に人間関係が入り組んでるんですけど、それがだいたい誰かが負担を背負うことによってギリ成立している関係ばかりなので、すげぇしんどかったです。登場人物はみんないろんな苦悩を抱えながらも結局は背景のある良い人たちで、だからみんなの幸せを願うんですけど、全員が常に綱渡り状態なのでずっときついです。

 

 あとは普通に出てくる美女イケメンに萌えました。僕は宝塚歌劇団のポスターとか見て「かっこいい」って思うというか、ファッションと一体化した派手なメイクとかは好きなので、そういう嗜好もあってかナナとか超かっこよかったです。あとはセリフがキザすぎるのとか斜めに見たら笑えるっちゃ笑えるんですけど、NANA世界に没入してしまえば洗練されたキザさで名言いっぱいありました。女性誌の漫画を読んだ経験値が少ないので、少年漫画・青年漫画で典型的に見られるキャラとは趣が異なるキャラクターばかりで新鮮に楽しめたところは多かったと思います。

 

 まぁ、あとは、みんな恋愛体質すぎるやろというか、生活において恋愛が占める領域でかすぎるやろって、そういう共感できなさはありました(これは少年漫画において「強い方がいい」というのが当たり前の世界に慣れていることが原因な気はする)。そもそも「人生と恋愛と友情と」みたいなテーマの作品なんでそこにフォーカスが当たるのは当然っちゃ当然なわけですが。僕自身があまり恋愛に興味がない(興味がないわけではないが特に重視していないし必要としていない)ので、色恋に振り回されまくるストーリーに対して謎のイラ立ちを覚えたりもします。僕がそういう世界観と縁遠い世界に住んでいるだけで、実際世間一般はこのくらい恋愛中心の世界観なのかもしれないとかなんとか思いつつ、なんか、なんとなく、勉強になりました。

 あとは主要人物達がめちゃめちゃ幼馴染どうしな結果、恋愛と親愛が入り混じってるところにはあだち充っぽさも感じつつ、そこに性欲と生い立ちのしんどさががっつり入っている点で全然別物でした。

 

 気になるワードはTwitterでフォロー内検索するんですけど、今回「NANA」で検索して印象に残ったツイートはこちら。

 みんな常にくそおしゃれ。

 先ほどから意識的に「NANA世界」という言葉を使っているのですが、もしかすると『NANA』は「バキ」的なものかもしれないと思いました。バキ世界にもバキ世界のノリというか、みんな基本的に地上最強を目指していたり、ズボンがだぼだぼだったりするノリがあるんですけど、NANAもそれだけの世界観がある。NANA世界ではバキ世界で登場人物が当たり前に武芸者なのと同じくらいみんな当たり前におしゃれだし、バキ世界で登場人物たちが格闘しまくるのと同じくらいNANA世界ではみんな恋愛しまくるし...みたいなことを考えたりしました。これは特に意味のない結びつけというか、だからどうということもないのですが。

 

 最後に。いくらなんでも中島美嘉は適役すぎるやろ!!