イタリアンアルティメットダークネス日記

おませな小学四年生たちが綴るわいわいブログ

「チェンソーマン」が参照している作品を追う

 どうも、たけです。先日完結した藤本タツキチェンソーマン」、加速し続けたまま駆け抜けてゴールした最高の阿鼻叫喚ジェットコースター漫画でした。何度読んでもたまらない。「進撃の巨人」レベルの超名作でした。

 その魅力については以前も少し書きましたが、まだまだ書き足りないし、いろんな視点から言いたいことはたくさんあります。その魅力のうちの一つに「チェンソーマン」には他作品からの膨大なオマージュやインスパイアが含まれていることがあります。実際に藤本タツキは以下のようにコメントしています。

チェンソーマンは「邪悪なフリクリ」「ポップなアバラ」を目指して描いています! 他にも、とにかく自分の好きな作品を詰め込んでできているのでそれが伝わってくれているのなら嬉しいです!

「チェンソーマン」300万部突破、藤本タツキからのコメント&イラストも(コメントあり) - コミックナタリー

チェンソーマン」は藤本タツキの「好き」を詰め込んだ「藤本タツキが考える最強の漫画」とも言えます。その愛が週刊少年ジャンプの中に組み込まれおもしろさに昇華されていることのすごさ。今回の記事では、その関連作品をいくつか紹介します。

※コミックス9巻までのネタバレをやんわり含みます。

 

ネーミングと映画

 そもそも「チェンソーマン」というのが「スパイダーマン」てきな安直名付けヒーローのオマージュと言えるし、その中でチェンソーを選んだというのもジェイソンに代表されるホラー映画のキャラクターのオマージュと言えます。サメの悪魔もB級映画っぽい存在です。「ファイアパンチ」でもそうでしたが、藤本タツキ作品において映画の存在感は強いです。ヒーローものと捉えたときに、満を持して発せられたマキマのセリフ「助けて チェンソーマン」はまじでたまらなかった。

 

ガイナックスフリクリ

 チェンソーマンは「邪悪なフリクリ」ということで。

フリクリ - Wikipedia

 「フリクリ」はガイナックスによるアニメ作品。全六話。実験的で突飛な演出と怒涛の展開でめちゃくちゃジェットコースターでした。主人公が周りの女子たちに振り回されまくる様はもうチェンソーマンに採用されまくり。デンジの「俺が知り合う女がさあ!! 全員オレん事 殺そうとしてんだけど!!」という叫びはここから生まれたのかと思わされます。主人公が一方的に恋するも相手はマジで主人公自体には興味がなくて、他の憧れのために利用しているだけというのはマキマすぎるし、そもそも藤本タツキはそういうのがたまらない性癖なんだろうなと思います。どっかの対談で実際にそんなこと言ってましたし。

 

弐瓶勉『アバラ』

 チェンソーマンは「ポップなアバラ」ということで。

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 もうこの表紙を見たら、チェンソーマン(覚醒後)のデザインがめちゃくちゃ黒ガウナなことがわかると思います。というか、「アバラ」の主人公の名前がデンジです。そのまますぎるやろ!

 これはチェンソーマン覚醒の前の週のツイートで、内容は「アバラはいつかアニメ化してほしいです。ラストもろガウナです。」だったらしいです。次週、もろガウナでしたね。

 「アバラ」自体はストーリーの説明が不足しすぎているのでよくわからないままついていく感じなんですが、とにかく画がすごすぎる。ガウナのかっこよすぎるデザインと圧倒的なスケールでのバトル描写がとにかくすさまじい作品です。「おもしろい」より「すごい」が強く来る作品でした。

 

榎本俊二『斬り介とジョニー四百九十九人斬り』

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 チェンソーマン第60話「クァンシと魔人達四十九人斬り」の元ネタです。100ページちょいの短編なのですが、斬り助とジョニーがとにかく人を斬って斬って斬りまくる!

 ストーリーはあってないようなもので、主人公二人組は名乗りもしないのでどちらが斬り助でどちらがジョニーかもはっきりしていません。セリフも極端に少なく、苦戦するでもなく、ただ二人が淡々と淡々と淡々と斬りまくるという特異な傑作です。とにかくモブが徹底的に斬られまくるわけですが、その斬られ方、それを描写するカメラワークが多彩で鮮やかで「こんな斬られ方あるんだ!」みたいな感動を覚えました。強烈に印象的だったのは螺旋状に斬り上げていく場面でした。圧巻。

 チェンソーマンてきに注目なのは斬り助(ジョニーかも)がダッシュしながら一太刀で何十人もの首を跳ねるシーンでしょうか。チェンソーマンではクァンシが走り抜けた後に一気に首が跳ぶシーンがありましたよね。

 チェンソーマンの名言ランキングのかなり上位に入る「死体が喋っている」は出てこなかったので、あれは藤本タツキ流の「お前はすでに死んでいる」なんでしょうかね。

 

上記三つの作品に共通して言えるのはジェットコースター感ですね。

 

「オレたちからアンタへの鎮魂歌(レクイエム)だ。」とかはわかりやすすぎる「HUNTER×HUNTER」オマージュでしたが、以下の記事ではもっと詳しくいろんなオマージュ元が紹介されてます。

note.com

 

 そういや、チェンソーマンと言えば最新の「この漫画がすごい!」の一位に選ばれてましたが、僕は浅野いにお「デットデットデーモンズデデデデデストラクション」が一位に選ばれていない時点でもう「この漫画がすごい!」を信頼していないので、これは気にしなくていいことです。

 

以上!