イタリアンアルティメットダークネス日記

おませな小学四年生たちが綴るわいわいブログ

コロナ対策の評価基準について

 どうも,ざわです.

 新型コロナウイルスへの対策に対して様々な批判がされる様になってきました.新型コロナウイルス,またそれに対する施策についての多角的な評価が充実してきた一方で,様々な批判が的を得ているのかや,なにを批判しているのかが分かりにくくなってきていると感じました.そこで,自分なりに新型コロナウイルス対策への批判に対する基準を設けようと思いました.自分の基準のポイントは3軸の設定と戦略と施策の区別です.

 

 まず,新型コロナウイルス対策への施策を評価をする上で,重要視される軸は主に下の3つと思います.

・蔓延の防止

・自由

・経済

 この3つの軸のどれをどの程度重視するかによって国家の対コロナ戦略が決まります.基本的には各国の対コロナ対策の戦略はこの三軸を取れば,見通し良く分類できると思います.例えば,台湾やニュージーランドはコロナ蔓延の防止を第一に考え,自由と経済をある程度犠牲にすることを目指した「コロナ根絶」を戦略にしており,フィンランドは自由と経済を重要視し,蔓延の防止を成り行きに任せる「ノーガード戦法」とも言える戦略を取りました.アメリカはワクチン開発まで,コロナの蔓延を抑制し,自由の制限と経済への打撃をなるべく抑える「時間稼ぎ型」戦略を取っています.さて,我が国である日本のコロナ戦略を考える場合には,例外的にもう1軸を考える必要があると考えています.それは

・出費

です.個人的には,日本の戦略は現在,ワクチン開発まで,自由を損ねることなく,医療崩壊が起こらない程度に抑制する(ただし出費はなるべく抑える)という「時間稼ぎ型」の亜種になると思っています.

 まず批判のパターンとして戦略の達成度と戦略設定に対する批判とがあります.戦略の達成度の批判としては、医療崩壊を防ぐ程度に蔓延を防ぐことを目指していたが、それを達成していないなどが挙げられます。「自由を制限してでもコロナの防止に努めるべきだ」とか,「経済をもっと回すべきだ」とか,「自由を制限は行うべきではない」などです.ただ,戦略に対する批判は,価値観の対立とほぼ同義であるため,全国民の一致は起こりえず,どのような戦略を採っても批判は出てしまうのではないかと思います.(とはいっても,個人的には日本特有と思われる出費を抑えるという価値基準は捨てたほうがいいと考えています).むしろ評価するべきであるのは,国が採択している戦略に対する,各施策の一致度だと思っています.なので,国の施策を上記の3(4)軸に対してどの程度効果をもたらすか(つまり,戦略という縦ベクトルに対する施策の横ベクトルの内積の大きさ)を評価しなければならないと考えています.

  例としてワクチンの接種の励行を評価してみます.ワクチン接種の励行は蔓延の防止効果が高く,自由をある程度制限(ワクチンを接種しない権利もあるため自由を制限していることになる)し,経済への影響はなく,出費の大きい施策になります(蔓〇・自△・経-・出×).この施策,ワクチン接種の励行は出費の少なさを評価する日本以外では積極的に行うべき策です.日本においては,蔓延防止効果&自由の制限度と出費の大きさの利益衡量を量る必要があります.さらに,外出禁止令(蔓〇・自×・経×・出-)は,台湾&ニュージーランドでは積極的に発令し,アメリカ・日本では利益衡量を量り,フィンランドでは発令すべきではないということになります.

 施策に対する批判としては,国が採る戦略と施策の不一致に対する批判(ニュージーランドが外出禁止令を出した場合や,台湾においてワクチンの接種が成功されない場合),施策の評価に対する批判(外出禁止令が自由を制限していないと判断されている),施策間の不平等(台湾においてワクチンの接種が励行されているにも関わらずPCR検査の拡充(蔓〇・自△・経-・出×)が行われていない)が挙げられます.五輪の開催に関して言えば,五輪の開催(蔓×・自-・経〇・出×)は,よほど経済効果が大きくない限りと開くべきではないと言えます.

 

 このように,国家の戦略と施策を3(4)軸で分類することで,戦略と施策の見通しがかなり良くなったと思います.批判としては,戦略に対する批判と施策に対する批判があり,戦略に対する批判は、戦略の達成度・戦略の設定への批判に、施策に対する批判としては,戦略との不一致・施策の評価ミス・施策間の不平等に対する批判に分類されます.ネットなどで見かける批判をこの分類に当てはめるとその人の主張が分かりやすくなると思います.また,批判も行いやすく,他人との議論が円滑に進むと思います.

 また,この評価方法は軸を取り換えることが可能なので,最初に提示した軸の取り換えを行うことによって(例えば,施策の難易度を評価軸に組み込むなど)また別のコロナ対策の側面が見えると思います.

 今回,自分が考えた評価基準の問題点としては,戦略と施策は実際には相互に依存しあうものであったり,(国家が採れる施策によって戦略が決まる側面がある),施策の評価が簡単ではないこと(外出禁止令に人々がどの程度従うかによって蔓延防止効果は大きく変動する)が挙げられると思います.

 もし,この基準を気に入ってもらえたら,問題点を意識しながら使ってみてください.皆さんの健康で自由な生活を願っています.