イタリアンアルティメットダークネス日記

おませな小学四年生たちが綴るわいわいブログ。隔日19時更新。

たけの発明20連発

 どうも、たけです。

 先日の記事で現代美術二等兵の「駄美術」を紹介しましたが、これに触発されて考えた僕の発明アイデアを20連発で紹介します。

 

 

発明No. 1「灯台下照らし」

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 うっかり見落としがちな足元もよく照らしてくれるヘッドライト。よく初歩的なミスをしてしまう人にオススメ。

  

発明No. 2「おやすみ時計」

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 設定した時間になると子守唄を歌ってくれる時計。決まった時間に就寝したい人にオススメ。朝に設定することで快適な二度寝を楽しむこともできる。

 

発明No. 3「一撃リップクリーム」

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 くちびる型のリップクリーム。一撃で塗ることができる。忙しい人にオススメ。

 

発明No. 4「ふでばコイル」

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 コイル型の筆箱。伸ばすと中身を出し入れすることができる。筆箱の通気性が気になり、且つ消しゴムを使わない人にオススメ。

 

発明No.5「要貯金箱」

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 純金でできた貯金箱。この貯金箱を買うために貯金が必要になる。一度買ってしまえば実物資産として財産を保存することができる。

 

発明No. 6「押し込み」

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 引き出すことより押し込むことを重視したタンス。すごく引き出しにくい。捨てるに捨てられない黒歴史がある人にオススメ。

 

発明No. 7「スマートウォッチ」

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 次世代のウェアラブル端末。寝坊や怠惰を検知すると実際より少し先の時刻を表示して急かしてくれる。逆に授業中などは時刻を遅らせるため、思ったより早く授業が終わるお得感が得られる。時計としての立場をわきまえながらQOL向上に貢献してくれる。

 

発明No.8「ばばの手」

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 使う気がなくても自動で動き、かゆくもないところを掻いてくる。邪魔なことも多いがどこかなつかしさのある温もりが安心させてくれるため、電池を抜かずに「長持ちしろよ」と声をかけているユーザーも多い。おばあちゃんっ子にオススメ。

 

発明No.9「マッチョ日焼けスーツ」

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 筋肉に沿って穴が空いた服。これを着て日焼けすると筋肉の影になる部分だけ黒くなり、体に陰影がついてマッチョに見える。体を細く見せる「くびれ日焼けスーツ」もある。他に手段がなかった人にオススメ。

 

発明No.10「メルヘンアンロック」 

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 唇のシワや静脈などの情報をもとにスマートフォンのロックを解除する機能。愛するスマホを甘い口づけで目覚めさせることができる。王子様になりたい人にオススメ。

 

発明No. 11「おかえりゴールテープ」

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 帰宅時にドアとドア枠との間に自動でゴールテープを張る装置。通った後テープは巻き取られる。内側のドアノブに仕掛けがあり、内から開ける時はテープは張られない。帰宅の喜びを増幅したい人にオススメ。

 

発明No.12「餌やりシュレッダー」

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 動物型のシュレッダー。ペットに餌をあげる気分で紙を処分することができる。犬型は紙を与えてる間シッポを振る。仕事中癒されたい人にオススメ。

 

発明No.13 「三角草履」

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 藁で編まれた三角形のぞうり。2種類の直角三角形になっている。測量しながら歩くことができる。伊能忠敬にオススメ。

 

発明No.14 「タフちゃぶ台」

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 片側だけを持ち上げようとすると脚が伸びるちゃぶ台。ちゃぶ台返しに耐えることができる。各脚にかかる荷重が偏ると「返され始めた」と判断するため、まっすぐ持ち上げれば普通に運ぶことができる。亭主関白な家庭にオススメ。

 

発明No.15「私の人生ゲーム」

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 ウェブで注文するオーダーメイドの人生ゲーム。予め空けられたいくつかのマスに注文フォームで記入した内容が印刷される。特定の人物をモデルにすれば人生を振り返りながら遊ぶことができる。還暦祝いにオススメ。

 

発明No.16「デュアル歯ブラシ」

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 2つのブラシが付いた歯ブラシ。歯を左右同時に磨くことができる。ブラシの部分は受動的に回転する。Y字の「V」部分はよくしなり、ブラシが歯に適度な力で当たるようになっている。忙しい人にオススメ。

 

発明No.17 「いびきスタビライザー」

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 いびきの不快さの原因はその不規則性にあるという仮説に基づいた、音を安定させる装置。いびきを録音し、いびきの乱れに合わせて再生することでリズムや音量を一定に保つ。体に装着しなくてよい。加害者にオススメ。

 

発明No.18 「三百六十五マスの人生ゲーム」

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 往年の名曲三百六十五歩のマーチ」が題材の人生ゲーム。全てのマスが「3マスすすんで2マスもどる」になっており、ゲーム性は皆無だが人生に前向きになれる。幸せが歩いてこない人にオススメ。

 

 

発明No.19「どこでもToDoリスト」

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 スマートフォンなどで入力したToDoリストを様々な場所に表示するシステム。専用の液晶やテレビに表示し、ユーザーに遂行を迫る。「ToDoリストを確認する」というToDoを遂行できない人にオススメ。

 

発明No. 20「蒸気機関鉛筆削り」

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  鉛筆の削りクズを燃料にして蒸気機関で動く鉛筆削り。奇跡的な熱効率が実現できれば無限に自動で鉛筆を削ることができる。電力も体力もない人にオススメ。

 

以上。実際に作れたらもっと楽しいんでしょうけど!

 

反転した写真の何がいけないのか

はじめに

 どうも、たけです。新紙幣の肖像画において、津田梅子の写真が反転しているのでは、という指摘があるそうです。

www.sankei.com

mainichi.jp

産経の記事には

「選定された人物についてさまざまな写真を収集して、原画を作成する」と説明

とあります。「写真は参考にしただけで、それをもとに新たに描き起こした肖像画です。」と主張されれば、その新たな肖像画がオリジナルなので反転も何もないことになります。ですのでこれに対して「反転している」という指摘は誤解であり、文句はつけられない(ばっちり言い訳されている)と思います。

 とはいえ、やはり「ん?それってええのん?」という違和感はなんとなく抱きました。でもじゃあ実際のところそれの何がいけないのかはよくわからないので、今回は「反転した肖像」をテーマに考え事をします。

 

二つのポイント

 「反転した肖像画」を考えるとき、次の二つのポイントがあると思います。

  • 肖像を反転加工する行為
  • 肖像が反転している状態

それぞれ考えてみます。

肖像を反転加工する行為

 「肖像を反転することは改ざんにあたる」といった指摘は「反転加工する行為」を問題としていることになります。ではそもそも「改ざん」の何が問題とされるのでしょうか?

 改ざんが問題になるのはいろんな場合があると思いますが、すぐに思いつくのは「現実通りでなければならないことが現実通りでなくなるような変更」だと思います。例えば、撮影の原理上、左右が反転して現像される写真を提供されたときに、それを反転して向きを直した肖像画を作成した場合、これも問題になるのでしょうか? 現実→非現実はよくない気がしますが、非現実→現実の変更に抵抗を感じる人は少ないように思います。そうすると必ずしも「反転加工する行為」がすべて不適切というわけではないように思えます。

 では、現実→非現実の加工であれば問題になるとして、反転された肖像というのははたして「非現実(偽物)」なのでしょうか。そこで、次は「肖像が反転している状態」について考えてみます。

肖像が反転している状態

 「人の顔は左右非対称なものだし、それを反転させたものというのはその人ではない」という指摘は「肖像が反転しているという状態」を問題としていることになります。

 左右反転した顔、というのは、さほど珍しいものではありません。鏡があるからです。人は日常的に鏡を見ていますし、なんなら自分の顔に関しては鏡を通して見る時間が一番長いのではないでしょうか。自分が思い浮かべる自分の顔というのは左右反転したものかもしれません。鏡を見ながら描いた「自画像」を指して「それは左右反転しているのであなたではない」と言われたらそれはそれで違和感があります。

 一方で、例えば「鏡から偽物の自分が出てくる/語りかけてくる」といったように、鏡の中の反転した自分というのは「偽物」のモチーフとして表されることもよくあります。 「鏡の中の自分が自分かどうか」というのはあくまで自己認識の話であり、客観的に捉えた肖像というのは反転しておらず、それを反転させるというのは客観的事実に反するように加工する編集であり「改ざん」にあたるという指摘は一理あるかもしれません。

 

4つの場合

  • 肖像を反転加工する行為
  • 肖像が反転している状態

という2つのポイントについて、それぞれ当てはまる/当てはまらないの組み合わせで4つの場合に分けられます。それぞれの場合についてありかなしかを考えることで、自分の違和感のありかを考えることができます。4つの場合について、それぞれの例を考えてみます。

反転行為× 反転状態×

 普通に撮った写真をそのまま使っている状態です。

反転行為〇 反転状態〇

 これは今回の場合です。普通に撮った写真を左右反転しています。

反転行為× 反転状態〇

 「実は参考にした津田梅子の写真はもともと鏡越しに撮られたものだった」ということが発覚した、という仮定をおいて考えてみます。その写真をそのまま使用した場合、それは反転加工はしていませんが、顔は左右反転したものになります。

反転行為〇 反転状態×

 こちらも「実は参考にした津田梅子の写真はもともと鏡越しに撮られたものだった」ということが発覚した場合を仮定してみます。そして顔の向きを正しくするために反転加工を施した場合がこれにあたります。この場合は加工を施していますし、「鏡越しに撮った」という現実を改ざんしているとも言えます。しかし顔の向きは正しくなっています。

違和感のありかを探る

 僕が上記のようにものごとを成分に分解し、それぞれの成分を含む含まないに分けて考えるのが好きなのは、それぞれの場合についてありかなしかを考えることで自分の違和感のありかを探ることができるからです。探ってみます。

たけの場合

 さて、僕の場合は、次の結果になりました。

  • 反転行為× 反転状態× → 問題なし
  • 反転行為〇 反転状態〇 → 抵抗あり
  • 反転行為× 反転状態〇 → まあ問題なし
  • 反転行為〇 反転状態× → それはそれでわかる

これから考えるに、僕としては「わざわざ反転させるように加工する」というのがアウトのようです。もともと反転していたならそれはそれでそういうものだし、向きを直すように加工したならそれもそれで納得できる、という具合です。

Aさんの場合

 他の例として、もしAさんが次のように考えたとします。

  • 反転行為× 反転状態× → 問題なし
  • 反転行為〇 反転状態〇 → 立腹
  • 反転行為× 反転状態〇 → 問題なし
  • 反転行為〇 反転状態× → 立腹

 この場合、Aさんは何にせよそういう加工をやるのはよくない、という立場です。今回のニュースに対する反感として、肖像を反転することそのものの是非というよりは「都合のいいように情報を編集する癖の悪さ」に対するものが大きいようにも思います。Aさんの感覚もわかります。

 

おわりに

 以上、肖像を反転させることについていろいろと考えてみました。時代を反映して、SNOWとかでごりごりに盛って猫耳つけた肖像にしたらどうですかね。

音楽:リーガルリリー 紹介&LIVEレポ

 どうも、たけです。4月14日にあったリーガルリリの「春はあけぼのツアー」のファイナル講演@大阪バナナホールに行ってきました。リーガルリリーの紹介とライブの感想を書きたいと思います。

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リーガルリリーとは

www.regallily.com

 リーガルリリは2014年に結成した3ピースガールズロックバンドです。現在ミニアルバムを3枚出していて、どれもめっちゃいいです(Apple Musicに一通りあります)。ギターボーカルのたかはしほのかが作詞作曲を担当。彼女が高2のときにリーガルリリーを結成しています。現在は大学生っぽいです。

 エネルギー量の高いロックでオリジナルなバンドだと思います。透き通るような声で心地よく響く歌声ながら、どこか影のある冷たい芯の通った、確固たる強さを感じます。歌詞になんとなく鋭さがあるのが好みです。演奏もばっちばちでかっこいいです。曲調が自由というか、一曲の中で変調して展開することが多く、そこも魅力に感じます。歌詞良し、曲良し、声良し。かなり好きです。

 

曲紹介

overture

www.youtube.com

最後の方の曲の展開がめっちゃいい。歌詞、よきかな。

窓を開けながら、朝の深みへ。
戦闘機の爆音、最高にロックだった!

ペットボトルの中には、お水と誰かの吐く息。
目覚ましが喚く前、隣で君の息を吸っていたい。

 「戦闘機」「福生」「アメリカの基地」という言葉が出てきます。調べると東京の福生横田基地があってかなりアメリカンな街みたいですね。東京出身らしいですが、近所なんでしょうか。

リッケンバッカー

www.youtube.com

 たぶんリーガルリリーで一番メジャーな曲です。現在400万再生なんでけっこーですね。「リッケンバッカー」というのはエレキギターのメーカーと。歌詞も印象的です。

きみはおんがくを中途半端にやめた。
きみはおんがくを中途半端に食べ残す。

リッケンバッカーが歌う
リッケンバッカーが響く
リッケンバッカーも泣く
おんがくも人をころす

はしるこども

www.youtube.com

 疾走感ありめの曲。よきかな。

 

 ライブの感想

会場の様子など

 ベースが変わって新体制になってから初めての全国ツアーである「春はあけぼのツアー」のファイナルに行ってきました。会場は大阪バナナホールです。

  さあ、会場について気がついたのですが、のんきに手ぶらで来た結果チケットを忘れました。僕はこういうことをよくやります。死にそうになりつつ、当日券を狙うことに。拍子抜けするくらい余裕で買えてしまいました。キャパ500人の会場ですが、整理券番号300まで呼ばれたところで全員入って当日券のターンに。そのあとじわじわ人が増えてはいましたが、埋まらないもんなんですね。同じくチケットを忘れて一緒に当日券を買ったおじさん曰く、関東だと前売りで完売ですが、まだ関西での人気はまだそれほどのようで(リーガルリリーは東京出身)。

 客層はわりと万遍なかったように思います。広くバンドを追いかけてるの比率が高いとそうなるとかあるんですかね?中年男性がわりといるな、と思いました。それと関連があるのかわかりませんが、観客のライブTシャツ着用率が低めでした(比較対象はチャットモンチー相対性理論です)。

セットリスト 

 曲はこんな感じだったと思いますが、100%の自信はないので間違えてたらすみません。順番はざっくりこんな感じですがうろ覚えです。

  • こんにちは。
  • ジョニー
  • the tokyo tower
  • ぶらんこ
  • アルバム「the post」 で「好きでよかった。」のあとに入ってる隠しトラック的なやつ
  • スターノイズ
  • トランジスタラジオ
  • リッケンバッカー
  • overture
  • はしるこども
  • 高速道路
  • 僕のリリー
  • うつくしいひと
  • 教室のしかく
  • せかいのおわり
  • 好きでよかった。(アンコール)

感想

 「春はあけぼのツアー」、いとをかしけり。リーガルリリーのライブに行くのはお初。けっこーくらいました。かっこよかったです。声は音源以上に透き通っていて、ドラムもベースもばっちばちにかっこよくて。「スターノイズ」の後半でたかはしほのかがちょっと涙ぐんでいるのを見て「そう!それ!それですよ!!」ってなりました。どういう涙なのか僕にはわかりませんが、何度も歌ってきた曲の演奏でそれだけの感情を乗せられるというのはやはりアーティストとして貴重な才能だと思います。バイブスですね。他の曲でもそうなのですが、やはりそういう気持ちの入り方がかなりすごかった印象です。あと彼女は少しあごを上げながら歌うのですが、その感じも好きです。

 MCは3曲やるごとに休憩がてらちょこっとだけしゃべるって感じでした。たかはしほのかがへにょへにょしながらちょこっとお喋りして、ドラムのゆきやまとベースの海は相槌だけでほぼ話さず。メンバー紹介すらなく基本的には演奏だけを見せるストロングスタイルで、MC中のへにょへにょが演奏開始と同時に空気ごとロックになるのがたまりません。

 はしゃぎまわるような曲がないのもあって、お客さんの空気としては各々揺れながらじっくり聞き入る感じでした(僕はFitbitという活動量計を腕につけているのですが、揺れてたのが歩行判定されて稀にみる運動量を記録できました)。手を挙げてる人もほぼいない感じ(リッケンバッカーのサビで3人くらいだけ挙げてました)。こういう空気好きなので心地よかったです。

 たかはしほのかのMCで印象に残っているのは二つあります。一つはやっぱライブは楽しくていいですね、という話で「ライブはお客さんの呼吸を吸い込んで歌うから、それは一回きりのものだし、みんなで歌うことになるんです」みたいなことを話してました。「だから私はのどを大切にしなきゃ」と。その小さな体のどこからそれだけのエネルギーが出るんだろう、と思っていたのが少し腑に落ちました。もう一つは、急に「春はよく人が死にますよね」と話だして「3年前にそういうことを深く考えていた時期があって、そのときに作った曲です」と続けて始まったのが「トランジスタラジオ」でした。この曲から「死」をイメージしたことがなかったのでびっくり。聞こえ方も変わってきます。リーガルリリー、深いですな。MVのモチーフがよく分からんな、と思っていたので、少しすっきりしました。

www.youtube.com

 

 あとやっぱりたかはしほのかは口笛がやたらうまいかったです。

www.youtube.com

 

おわりに 

 リーガルリリー、今後も追いかけていきたいです。チャットモンチーは後半になってから、andymoriは解散してから好きになったので「初期の頃のライブに行ってみたかったな」という未練があって、リーガルリリーに関しては比較的初期に来れたので未練回避としましょう。満足です。

ドストエフスキー『罪と罰』 紹介&感想

 どうも、たけです。ドストエフスキーの傑作長編小説罪と罰の紹介&感想です。先日の『カラマーゾフの兄弟』の紹介記事の続編のつもりで書きます。shogakuyonensei.hatenadiary.com

 

 前回ちょっと不完全燃焼だったので、今回はもう少しちゃんと感想を書こうと思います。この記事の前半がネタバレを含まない紹介編で、後半がネタバレを含む感想編になります。

 

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紹介編 

はじめに

 本作のあらすじですが、僕的には上巻の背表紙に書いてあるようなことはネタバレだと思っているので、どうせなら読まずにいてほしい気持ちがあります。少なくとも冒頭で知らされる内容ではありませんし。

 『カラマーゾフの兄弟』の記事で述べたように、僕が読んだ上記の写真の亀山郁夫訳(光文社古典新約文庫)は誤訳の指摘があるようなので、よくないかもしれません。と言いつつ、原書と比較することなく読んでる分には不満はありませんでした。

 それでは、オススメポイントを挙げていきます。

サスペンスとして - 思想に迫る -

 (『カラマーゾフの兄弟』の感想に同じことを書きましたが)「ドフトエフスキー」「ロシア文学」と聞くと何やら重厚そうなイメージがあり、重苦しい話が延々続くのかなと想像していましたが、『罪と罰』にしろ『カラマーゾフの兄弟』にしろ、単純にサスペンスとしてめちゃくちゃおもしろいです。見せるところは見せるが隠すところは隠し、最後までどうなるかわからないハラハラドキドキの展開が続きます。

 また、群像劇みが強かった『カラマーゾフの兄弟』に比べて、『罪と罰』ではより主人公を中心にフォーカスされていました。先に出来事があり、後から「なぜそうなったのか」が明らかにされていくのはサスペンスとして王道のおもしろさです。例えば「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」では先に犯人が分かった状態でその「手口」を解き明かしていくシステムの推理サスペンスでしたが、『罪と罰』では「思想」が解き明かされていきます。

とにかくよくしゃべる - 対決 -

 漫画「デスノート」で夜神月とLがテニスをしながら腹の探り合いをしているシーンが印象に残っています。「なんかよくわからんけどめちゃくちゃ高度な駆け引きしとる~~~」というような興奮がありました。『罪と罰』ではそれのもっとすごいやつが続々と巻き起こります。頭脳的というよりはもっと感情的なものですが、駆け引きだけでなく思想、魂のぶつかり合いとも言えるような迫真の対決がかなりおもしろくてしびれます。とにかくドフトエフスキーの登場人物たちはめちゃくちゃよくしゃべるので、僕にはそれがたまりません。特にこういった「対決」では会話の中での登場人物たちの精神状態や心情の機微が眼に浮かぶように描かれていて見事です。

カラマーゾフの兄弟』との比較

 『罪と罰』、第一にエンタメ・サスペンスとして非常におもしろい。総合的な印象ではどちらかというと『カラマーゾフの兄弟』よりもこちらの方が読みやすかったです。話が一本筋だったからといいますか、登場人物が少ない分だけわかりやすいという感じでしょうか。とはいえ『カラマーゾフの兄弟』とどちらがおすすめかと言われれば決めかねます。わりと全体的なノリは同じようなところがありつつ、もちろんどちらにもそれぞれの魅力がありますから。強いて言うなれば『カラマーゾフ』の方が宗教的な思想により注目し、『罪と罰』の方が哲学的な思想により注目していたような気がします。

評価

 評価は☆5.0ドストエフスキーすごい!

  

感想編

※以下、ネタバレを含みます 

 

理想と現実

 本作は主人公ラスコーリニコフが自身の思想を誇示しようとする話でした。その思想というのは要するに功利主義的なものであって、当時のロシア的にどうだったのかはわかりませんが特に目新しいものではないと感じました(それはそれとして、『相対主義の極北』の記事に書いたように僕はある思想を持った人物がそれを駆使している様子を見たい人なので本作はどストライクでした。)そういった思想、つまりラスコーリニコフがどのような考えでなぜ人殺しをしたのか、に迫ることがこの物語の主軸の一つです。ですが、やはりこれは奇抜な思想を持った一部の特殊な人間のお話というわけではないのでしょう。「英雄は何をしても赦される」といった考えを持った主人公が「自分は英雄ではなかった」という現実に直面することで苦悩するというのは、理想と現実、理性と感性、頭と心、の折り合いをつける、という多くの人が共感しうる広いテーマだと思います。ラスコーリニコフの場合、最後まで思想の間違いを認めることはありませんが、それを自分には実践できなかった、自分はその器ではなかったという現実と向き合う苦悩と成長の物語でした。

割引券、あるいは煙草を吸う中学生

 ラスコーリニコフの犯行の特徴は、老婆を殺して大金を得ることが目的ではなく、自身の思想を実証することが目的であることです。彼が困窮していたのはたしかですし、妹の望ましくない縁談という後押しもありましたが、それでもやはり強盗殺人よりも関心があったのは思想の誇示でしょう。それは犯罪を目的とした犯罪であり、「殺さずに盗む手段」があったとしても「殺さずにはいられない」のではないかとも思えます。「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ」という考えを持ったが故に、その権利を行使せずにはいられなくなっただけのこととも思えてきます。割引券を持っていると、普段行かない店であっても行かなきゃ損する気分になってどうにも行かずには済まされなくなるような。

 また、そうした思想を持った主人公が自己の飛躍のために犯罪を犯すことを躊躇うというのは、自身が凡人であることを認めることの表明、あるいは非凡人ではあっても自身の論を信じていないことの表明になってしまいます。そのため、彼の犯行動機には「自身の立場の表明」というものが大きくあるわけです。それは、あえて陳腐な例と並べれば、自分が不良でやってくことを表明するために中学生が煙草を吸ってみるのと同じようなものでしょう。

 あるいは単に自己顕示欲があります。「自分だけが知っていること」を誇示する人がTwitterには溢れていますし、自分にもそういうところがあってわざわざこんなブログをしていることを思い出します。あえてこういう見方をしてみて、それが知っている感情が増幅されたものかもしれないと思うと、なにかのきっかけで自分だってやりかねないな、という気持ちになってきます。「魔が差す」というのは恐ろしいですから。

ポルフィーリィとの対決

 紹介編で「対決」がおもしろかったという話を書きましたが、特にラスコーリニコフポルフィーリィの対決は毎度もう尋常じゃなくしびれました。無呼吸で一気に読み干しましたとも。思想だなんだのに関する感想はあとからごちゃごちゃ考えはしますが、なんといっても強烈にここの圧倒的なおもしろさが印象的でした。

非凡人

 ラスコーリニコフの思い描く非凡人というのが「英雄タイプ」だとして(ナポレオンの名を挙げていました)、その彼に「聖者タイプ」である非凡人の老婆の妹や最後パートナーとなったソーニャが作用していく様子はしびれました。屈服したとも言えます。そういやラスコーリニコフがソーニャに聖書の一説を読ませるシーン(僕はこれも上記の「対決」の一つと捉えています)も名場面でした。たまりませんでしたな。

 

 以上、ドストエフスキー罪と罰』 紹介&感想でした。

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 紹介&感想

 どうも、たけです。紹介するまでもないドストエフスキーの傑作長編小説カラマーゾフの兄弟の紹介&感想です。カラマーゾフ家がごたごたする話です。

 

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はじめに

 「なっげ~~~」と思いながら読み始め、夢中になって読み終わりました。上巻に2週間、中巻に4日、下巻に1日。上巻の終盤から本格的にのめりこんでいきました。当たり前ですがものすごくおもしろかったです。冒頭に「紹介するまでもない」と書きましたが、僕のように「普段あまり読書しないけど、この本読んでたらかっこいいから読んでおきたい」というようなライトな読者向けに紹介できたらと思います。

 次回の記事では、以前読んだ同作者のこれまた傑作『罪と罰』について書くつもりです。どちらから読もうか悩んでる人の参考になれば幸いなので、これらをやんわり比較しながら紹介してきます。

 

 

サスペンスとして - 群像劇み -

 「ドフトエフスキー」「ロシア文学」と聞くと何やら重厚そうなイメージを抱いており、重苦しい話が延々続くのかなと想像していましたが、『罪と罰』にしろ『カラマーゾフの兄弟』にしろ、単純にサスペンスとしてめちゃくちゃおもしろいです。見せるところは見せるが隠すところは隠し、最後までどうなるかわからないハラハラドキドキの展開が続きます。

 また、『罪と罰』に比べて『カラマーゾフの兄弟』はより群像劇みが強かったように思います。単純に三兄弟全員が主要キャラというのもありますが、よりたくさんの登場人物の目線から語られていました。本筋がある横で、ふと新たな人物目線での語りにジャンプし、それが本筋に合流していくという流れは浦沢直樹の漫画を思い出しました。群像劇みがあって丁寧な人物描写と巧みな情報操作を伴うサスペンスの王道の描き方なのかもしれません。ドフトエフスキー、「Monster」とか読んでだんすかね。あらゆる脱線が全ておもしろかったです。

 

とにかくよくしゃべる - それぞれの思想 -

 とにかく登場人物がよくしゃべる!それがもうたまりません。約80ページがほとんど一人の登場人物のセリフで埋まっているような部分もあります(そこは物語全体の中でも大きな見所になっています)。僕はよくしゃべる登場人物が好きです。80ページ分も一人がひたすら話すのを聞けるなんて言うのは、漫画でも映画でもおよそあり得ない、小説だけの特権的な喜びかもしれません(ラジオは別としておきましょう)。全編手記という体裁の本や、異常な長さの手紙なども似たアツさがありますが、やはり会話の中でそれだけ一気にまくしたてる熱量というのがたまらなくおもしろく響いてきます。先に群像劇みが強めといいましたが、まさにそれぞれの登場人物がそれはもうしゃべりまくることで、様々な思想や個性が活き活きと描かれます。各登場人物たちがとにかく魅力的で、それぞれを好きになっている状態で、彼らが熱量高く持論を語ってくれるのですから、それはもう楽しいです。そういった持論の背景にはキリスト教やロシア的な文化があり、それらがそれぞれおもしろい。『罪と罰』では主に主人公の思想に迫る物語だったのに対し、『カラマーゾフ』ではより多面的に描かれていたように思います。

 

読む上で気にした背景

誰の翻訳で読むか

 『カラマーゾフの兄弟』は新潮文庫から出ている原卓也訳のもので読みました。『罪と罰』は光文社古典新訳文庫亀山郁夫訳ので読んだのですが、後から調べると亀山郁夫訳に対して誤訳が多いなどの不評をいくつか見つけました。その批判内容ももっともらしかったので、『カラマーゾフの兄弟』を読むときは他の訳者にしたというわけです。亀山版『罪と罰』は読んでいる最中は特に不満は感じませんでしたが、あえて不評なもので読むこともないか、と。

名前ややこしい問題

 ロシアの人はわりと名前がややこしい。同一人物が違う名前で呼ばれまくります。呼び名によって距離感が違ったりするようです。ハリーポッターシリーズの中でたまにロンが「ロナルド」と呼ばれて「誰?」となりましたが、それのもっと激しいやつです。同じ名前の違う人が大量に登場した『百年の孤独』とは真逆のややこしさですね(『カラマーゾフの兄弟』にもこうやっていろんな作品を引っ張り出して自分を教養があるように見せようとする人物が登場していました)。ようやく言いたいことをいいますが、新潮文庫原卓也訳ではそうしたいろんな呼び方に関して訳注として「誰々のこと」「これは馴れ馴れしい呼び方」など補足されており、細かなニュアンスがわかるような配慮がありました。

ロシアのお金事情

 ロシアの通貨として「ルーブル」や「カペイカ」という単位が出てくるのですが、これの価値がピンとこないと物語の深く理解できません。この件に詳しく言及しているサイトがあります。

帝政ロシアの通貨事情/ドストエフスキーの世界

 上記サイトから、亀山氏の話を孫引きすると、

一八六〇年代のロシアの大学教員の年収が三千ルーブル

だそうです。上記サイトには「小説を読むうえでなら簡単のために1ルーブル=1000円と思って差支えない」てきなことが書かれています。すると、例えば3000ルーブルというのが出てきたときにはそれは300万円の大金ということです。あと100カペイカで1ルーブルです。

 さて、この3000ルーブル≒300万円もの大金が現金で置かれているとき、僕は一万円札100枚を束ねた札束が3束並んでいるところを想像し、そういうボリュームだと思います。でも作中に出てくるだけでもロシアには100ルーブル札なるものがあるようです。すると300万円相当の大金は100ルーブル札30枚で済みます。このヴィジュアルイメージは物語の情景を思い浮かべるためにわりと重要だな、と思います。

 

おわりに

 言及すべき点は膨大にあるのですが、膨大であるがゆえにここで軽く紹介するには何とも書きにくい本です。濃密で全部盛りでした。一つの村の話でありながら、そこには見事にロシア、あるいは世界の全部が詰まっています。

 カート・ヴォネガットの『スローターハウス5』に

人生について知るべきことは、すべてフョードル・ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の中にある、と彼はいうのだった。

そしてこうつけ加えた。

「だけどもう、それだけじゃ足りないんだ!」

という部分がありますが、ほんとに一通り書いてあったんじゃないですかね。それだけじゃ足りないそうですが。

 濃密で長い、これだけの情報量を一気に読んだので、そう簡単には飲み込みきれませんね。何度か丁寧に読まなきゃ吸収しきれなさそうです。

 

 以上、簡単ですがドフトエフスキー『カラマーゾフの兄弟』の紹介&感想でした。当然の☆5.0

次回、『罪と罰』に続く。

現代美術二等兵の「駄美術」

 どうも、たけです。今日は現代美術二等兵というアートユニットの「駄美術」シリーズを紹介します。

 

 ホームページから引用すると、このアートユニットは

彫刻だけでなく絵画、写真など表現方法にこだわらない制作を続けている。
それぞれが目指しているのは「楽しい」「おもしろい」作品たち。

というような人たちであり、彼らが製作する「駄美術」というのは

制作費、完成度にこだわらず、見る人が楽しめる作品。
お菓子の中に”駄菓子”があるように美術界にも”駄美術”があるのではと命名

絵画、彫刻、写真などジャンルは不問の脱力エンターテインメント。

ということです。

 ワンアイデアをちゃんと作品として形にしており、その作品も「ワンアイデア」に見合った脱力感があってバランスが程よいです。活動としてはギャラリーなどで展示をされているようですが、サイト上でも2003年から毎月一つ作品を紹介されています。そのアイデアと実装の形がおもしろく、まさしく「駄美術」としてのボリュームでニヤニヤさせてくれます。ほんとにただの「駄洒落」のものもあるのですが、それもちゃんと作品として物があると魅力が整います。作品がたまにガチャガチャになったりしているようで、ちょうどそんな感じの魅力です。

 過去の作品は下記ページで紹介されているので、ぜひご覧ください。

www.g-b-2.net

(このサイトは少し見にくいです。各作品ページから前後の作品ページに移動できるようにするか、もっと一覧で見れるようにしてほしい...。)

 

 それでは、数多の作品の中から僕が特別気に入ったものを15個厳選して紹介します(作品タイトルが作品紹介ページへのリンクになっています)。

 

がっかりトリプル

 「世界三大がっかり」と呼ばれる、シンガポールの「マーライオン」、コペンハーゲンの「人魚姫」、ブリュッセルの「小便小僧」を融合させた作品

KoiのRock 'n' Roller

 餌に群がる鯉を観客に見立てた作品。昔トリビアの泉で「七面鳥の群れに声をかけるとノリの良い観客っぽくなる」というのがあったのを思い出しました。

www.youtube.com

ナスカの夏、ペルーの夏

 ナスカの地上絵の形をした蚊取り線香。シンプルにかっこいいと思いました。

観賞用シーラカンス

 錦鯉のような模様になったシーラカンスの模型。品種改良への皮肉も効いてていい感じです。

こけしアレー

 こけしシリーズの一つ。こけしと鉄アレーを合体させたもの。見た目の融合だけではありますが、妙にすっきりしています。

脱ぎ捨てこけし

 こけしシリーズをもう一つ。こけしの大人しそうなデザインとのギャップがいいです。

ぐれダルマ

 ダルマシリーズもいろいろあります。ダルマ修行の退屈さに嫌気がさしてぐれてしまったダルマだそうです。

作品サンプル

 食品サンプルの麺類のやつを絵筆と絵の具で。

夜明けの はずれ

 セミの抜け殻シリーズ。羽化するところを見ようと思ったらはずれだったとのこと。実際こうなったらかなりショックでしょうね。

几帳面

 セミの抜け殻シリーズ。抜けた後、ちゃんと抜け殻をたたむ几帳面なセミです。

懲罰のれん

 「最近のたばこみたいな」という解説文でおもしろくなりました。

勝負下着

 純粋な勝負にこだわっています。

貝合わせ「残り香」

 たしかに取りにくいやつあるな~というあるあるネタから、フフッてなりました。

なりかけプリンセス

 変身家庭。たしかにこういうシチュエーションもあるあもしれません。

千客万ライライライライライライライライ

 漫画やフィギュアによくある連打のエフェクトを平和的に利用し、商売熱心な招き猫に。

 

以上、現代美術二等兵の「駄美術」の紹介でした。

 

音楽:タルトタタン

 どうも、たけです。先日の赤い公園の記事でちらっと言及した流れで、タルトタタンという後半はほぼ地下アイドルみたいな感じだったという、マイナーだけど相対性理論ファンには有名なアイドル?ユニットを紹介します。

 

 

タルトタタンの概要

 タルトタタンというのは、すでに消滅したユニットでして、基本的には2人組で、メンバーがめくるめく入れ替わってしまいながらも妙に素敵なプロデューサー陣によって(ファンにとっては)名盤揃いという特殊なユニットです。優秀な製作陣が腕を振るった、バンドサウンドでポップでどこかちゃんとアイドルな、独特の楽曲が魅力です。

 

タルトタタンを知る経緯

 順を追って説明すると、まず相対性理論というバンドの元メンバーである真部脩一と西浦謙助の二人(現集団行動)が作詞作曲プロデュースを行った「テトラッド」というのがタルトタタンの1stアルバムです。これがとてもいい。この真部脩一と西浦謙助というのは相対性理論の創設メンバーで、随一の名盤「シンクロニシティーン」まで大活躍、相対性理論ファンからの支持は厚いです。この二人を追いかけた流れでタルトタタンを聞くようになったという人はそれなりに多いはずです。僕もそうでした。

 真部脩一はボカロの曲を出したりもしているので、そういうのが好きなんでしょう。音源でいい作品を残すのが好きと言っているインタビューを読んだこともあります。そういうプロデューサー気質の人が活躍しているのがタルトタタンの良いところです。

 

2ndアルバム以降

 これ以降のアルバムは真部脩一と西浦謙助がプロデュースしたわけではないようですが、2ndアルバムの「某ちゃん」という曲に僕は心掴まれまして、その後も追いかけることに。後に気に入った赤い公園というバンドの作詞作曲を担当している津野米咲がこの「某ちゃん」の作曲をしていたことを知り、自分が好きになったことに納得しました(作詞は西浦謙助)。

 そして3rdアルバム「TARTETATIN ARE ALLRIGHT !」が1stに匹敵する良作。めっちゃいい。続く4thアルバム「シロ・デューサー」はアイドル感が高まった実験的なアルバムで、キャッチーで心地よい曲が豊富でいい感じ。ラストアルバムの「re:10」はTSUTAYAの宅配レンタルにもなくてまだ聞けてません(タルトタタンは入手性が悪い)。この3rdアルバムとラストアルバムはヤマモトショウというふぇのたすというバンドのメンバーがプロデュースしていて、この人がいい感じっぽいです。そして2人組のユニットにも関わらずこれらの間にメンバーが4周ほど入れ替わるという驚異的な新陳代謝が行われています。紆余曲折ありすぎですが、プロデューサーや作詞作曲陣がやりたいことをやりたいだけやった結果いい楽曲が生まれていったのだと思っています。tofubeatsが編曲した曲なんかもあります。そういったタルトタタンの歴史には下記の記事がものすごく詳しいです。

flan.hateblo.jp

 ちなみに初代メンバーの小野早稀は声優としてちゃんと売れているようで、僕も聞いたことがある「けものフレンズ」に主要キャラで出演していたりと活躍しているようです。本人のTwitterプロフィールでは特にタルトタタンについて言及はされていません。

 

 そういうわけで、アイドルに特に興味のない僕なのですが、特例的に異様にタルトタタンを気に入ることになり、もう何年も聞き続けています。Apple Musicには見当たりませんが、TSUTAYAの宅配レンタルでCD借りれますし、店舗にもあると思うので、おすすめです。特に相対性理論が好きな人は1stアルバムは気に入ると思いますし、3rdアルバム「TARTETATIN ARE ALLRIGHT !」(メンバーが入れ替わりまくったあとにこのタイトル)もかなりオススメです。

 

曲紹介

曲を紹介しながらフェードアウト。

 

相対性理論の真部脩一が作詞作曲

www.youtube.com

 

西浦謙助作詞、真部脩一作曲

www.youtube.com

 

真部脩一が作詞作曲

www.youtube.com

 

ヤマモトショウ時代

www.youtube.com

 

すばらし。

 

P.S.

これの内容がめちゃめちゃ気になる。

natalie.mu