イタリアンアルティメットダークネス日記

おませな小学四年生たちが綴るわいわいブログ

Netflix:「全裸監督」1~3話 感想

 どうも、たけです。小学四年生にはまだ早い作品らしいですが、Netflixオリジナルドラマ「全裸監督」の前半を見た知り合いから寄稿がありました。以下、寄稿された文章。

 

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 最近話題になっている、あるいは広告が表示されすぎて話題になっている気にさせられている、Netflixオリジナルドラマ「全裸監督」の1~3話を見ました。広告を見て「これは見なくて良さそうだな」と思いつつ、念のため1話を見てみて、そこからは「悪口を言うためにはまず見ないといけない」と思ってがんばったものの、3話でギブアップしたので3話までの感想です。シンプルにおもしろくない。4話以降おもしろくなるとかだったらすみません。

 

 「快進撃」てきな爽快風の場面が連続するだけで、そういうので気持ちよくなるための派手なだけのお話だと思いました。主人公が「破天荒」なことが(異世界転生もの(全然読んだことありませんすみません)における)「チートスキル」なんでしょう。解決策と言えば大金を出すか掟を破るかというパワープレイばかりで工夫がない。主人公は内面のない寡黙な人物で、ときたまズバッと決断して派手なことをやってのけるブラックボックス。その決断への道筋や裏付けはおざなりで、人間性は浮かび上がってこず、ただ華やかな結果だけを羅列する。稼ぎたいのか何か高尚な信念があるのかもよくわからない。セットも役者もお金がかかっていて映えてはいるものの、他に響いてくるものがない。ラ・ラ・ランドか? ポルノを題材とした作品がまさしくポルノ的であるというのは納得でもありますが。

 

 僕のバイブルであるサリンジャーの『フラニーとゾーイー』(野崎孝訳を推奨(村上春樹訳ではなく))にあるゾーイーのセリフを思い出します。

テレビに関係してる他のみんなと同様さ、その点じゃ、ハリウッドも、ブロードウェイもおんなじだ。センチメンタルなものは何でもやわらかだと思ってやがる。残忍なものはなんでもリアリズム、暴力沙汰に発展していくところは何でもクライマックス、そこへ――」

「それを相手にその通り言ったの?」

「言ったともさ!

  「全裸監督」は「人間まるだし」「ありのまま」だとか言ってますが、実際には気持ちいいところだけ並べて脚色しまくりの爽やかにコーティングされた優等生コンテンツじゃないですか。アンチコンプライアンスどころかむしろごりごりに媚びきったセルアウト作品ですやん。裸を映せばリアルってか?性欲を肯定すれば人間まるだしか? てかドラマや映画であのくらいの裸体やセックスシーンが出てくるのってそんなに珍しいかね?この前テラスハウスでも出てきましたよ。

 

  「テレクラキャノンボール2013」は刺激的だったけれど「全裸監督」はうすら寒い。ノスタルジーとナルシズム。そしてこのストレスを晴らそうと思って翌日に「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を見たらこちらはかなりよかった。別格やないか。

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 以上、寄稿された文章でした。これだけ流行ってるんだしきっとおもしろいんだからもっと楽しんだらいいでしょうに。僕も大人になったら見てみよっと。